2005/2/1 火曜日

カテゴリー: 未分類 — zen @ 17:12:16

2月1日(火)/晴時々曇・北西の強風

今日は、ヨットMIYAのサポートと文化の違いについてお話します。
かつて私は世界周航を目指して日本を出航し、最初にカナダのヴィクトリアに着きました。カナダ・ヴァンクーバーには妹ファミリーが住んでいてあらゆるサポートをしてくれましたから、私自身、何ら不自由することがありませんでした。しかし、カナダを出てアメリカへ向かう時、あ〜、これからは何もかも自分で切り回して行かなければならないのだと実感し、とても心細い思いになりました。
途中、ポート・タウンゼントに一泊し、翌日、シアトルに着きました。
カナダと比べ、英語が全く通じないのには閉口しましたが、それよりも何よりも、人間が冷たいと感じたことが、とてもショックでした。
カナダでは、エンサインの日の丸を揚げているだけで、沢山の人が「禅」を訪れ、何くれとなく手伝ってくれたり、航海中全く食べることの出来なかった果物などを差し入れてくれました。そして、多くの方が航海中の話を聞きたがりました。
しかし、シアトルでは、まるで日の丸に気がつかないように誰も声を掛けてくれません。何と冷ややかなんだろう・・・。
マリーナ事務所でダウンタウン行きのバス停を尋ねると、顎をしゃくるようにして、「そこだ」といいました。お陰で、その日はバス停が見つからず、ダウンタウンまでの恐ろしく遠い道を歩きました。翌日、もう遠距離を歩くのが嫌でしたから、またバス停はどこかと尋ねると、同じように「そこだ」といいます。私は、「実際の場所が分からないから聞いているのだ」というと、その男は、私を連れて親切にバス停まで案内してくれました。
なんだ、ちゃんと尋ねれば、親切に教えてくれるじゃないか!その時、私ははじめて気がついたのです。分からなかったら尋ねろ、手伝いが欲しければ頼め。彼らアメリカ人は、自分から頼まれもしないことをしようとはしません。しかし、頼まれれば、嫌な顔一つせず実に親切に教えてくれ、手伝ってもくれます。困った顔をして他人の親切を期待するのではなく、彼らにとって、親切とは求めるべきもの、そして、求められたら快く与えるものだったのです。
それからというもの、私は、遠慮という感覚をかなぐり捨てて、彼らと接触を持つようにしました。船具屋で使い方の分からないパーツなんか見つけると、どう使うかを尋ね、店員は、それを分解してまで説明をしてくれます。駐車場を出ようとする車を捕まえ、行き先方向が同じなら乗せてもらいました。そんなことを通じ、彼らは、とてもフレンドリーなセンスを持った人たちであったことが分かりました。
この教訓から、私は、困っていたらそれを察して手を差し伸べてくれる日本の文化を「お察し文化」と名づけました。しかし、アメリカ人にしてみれば、私たちのそうした感じ方は、余計なお世話と映るわけです。私たちは、アメリカ人を個人主義とか過剰な自己アピールとかいいますが、そうした文化の底流をしっかり理解しないと、とんでもない誤解を生むものなのです。
こうした文化の違いを踏まえ、私は畑下さんとの接し方について考え込んでいます。
彼が永年アメリカで生活し、どの程度アメリカの生活習慣を身に着けているのかは分かりません。でも、私が僅か2年ほどアメリカに滞在しただけでも文化の温度差を感じているのですから、アメリカにしっかり生活の根を下ろした畑下さんが、通常日本で暮らす人たちと同じ感じ方をするとは思いません。帰国当時、私は、いろんな局面で戸惑いましたし、よく他人から浦島太郎症候群と笑われたものです。
畑下さんは、昔、マグロ船に乗って諸国を訪れました。そうした船の場合、出入国から検疫、税関、はては日常の買い物までを船舶代理店に任せます。ヨット乗りの私たちには馴染みのない習慣ですが、今回、畑下さんは代理店に前記の事柄のほか、船の修理や細々した日常生活の一部を任せていらっしゃいます。
そうすると、私たちボランティアがお手伝い出来ることは何なのか?しかも、畑下さんがアメリカ的な感性を身に着けていらっしゃって、私たちが親切と思って手を出しても、或いは、余計なお世話なのかも知れない訳です。
何れにせよ、畑下さんは4日、今給黎さんの車で三崎に来られます。よくお話を伺い、何をして差し上げればいいのか、何をして欲しいのかを尋ねながら、遥か太平洋を渡って来られたご高齢の畑下さんに、本当に満足していただける三崎滞在にしたいと考えています。

2件のコメント »

  1. zenさんのお手紙良く分かります。長年お年寄りのお世話をさせていただいてますが、お年寄りにはお年寄りなりの「知恵とプライド」が有るのです。そして、今が今と言うように、かなり「せっかち」に事を進めようとします。大きなお世話にならないようにできたらいいですね。

    コメント by 介護経験者 — 2005/2/1 火曜日 @ 22:56:29

  2. こんにちは。
    拝見して胸のもやもやが取れた気がします。
    12月12日、MIYAとともに傷を負った畑下さんの元に各方面から差し伸べられた手に対して
    畑下さんが「狐につままれたような表情」をされた理由もわかった気がします。
    「言われなくても察してあげる」ではなく「頼まれたらとことん出来る範囲で手を貸す」も
    時にはアリですね。
    これからの三崎では決してzenさん自身ご無理をなさらず、
    MIYAと畑下さんを囲む妙なる縁を楽しんでください。

    コメント by 気ままママ — 2005/2/2 水曜日 @ 17:33:59

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