11月10日(水)/晴・21℃
先日から気になっていたことがあります。それを、是非ここに書いておきたいと思います。それは、新潟中越地震の被災者の方々のことです。
勿論、私たちは、被災者の方々とはテレビの報道でしか接点がありませんが、その方々の共通点として感じられることは、非常に謙虚で逞しいということです。
あんなに辛い目に遭っているというのに、誰もが感謝の言葉を口にされることに驚いています。仮設テントに入れたといっては「ありがたいことです」といい、何日振りかで自衛隊が仮設したお風呂に入れたといっては「生き返った気がします」と礼を述べ、倒壊した我が家に呆然としている老婆に慰めの言葉をかけると「生きてるだけでも丸儲けですよ」と逞しい言葉が返ってきます。
震災発生当初、炊き出しのおにぎりやパンがみんなに行き渡らなかった時も、子供やお年寄りに優先して配られましたが、行き渡らなかった方々から不平の言葉など全く耳にしなかったといいます。
錦鯉の生産者の方は、私らの代で日本の錦鯉を絶やす訳にはいかんと、生き残った鯉を救い出し、小千谷ちじみの機元たちは、壊滅した織り機を見つめながら日本の伝統文化を復活させるのは私らの使命ですと胸を張ります。
子供たちまでが、辛さをいう前に、学校でみんなに会えたことが嬉しいといっていました。日本全土に自己主張ばかりが渦巻いている昨今、もっとも辛い目に遭っている中越の人々から譲り合いと感謝の心が伝わってきたことに驚くと共に、古い日本の精神文化がまだ生きていたという喜びを感じたのは私だけでしょうか。
中越といえば豪雪地帯であり、必ずしも生活に十分ゆとりがある地域ではありません。文学作品にも、その苦しい生活振りや、それ故に起こる人生の悲しみなどが描かれているものが多数あります。
そうした地域に美しい日本の心が生き続けていたことに深い感慨があります。そして、おかしな話ですが、被災地の方々が中越地震をきっかけに、日本の伝統的な精神文化を全国に発信している訳です。その根底をなすものは、被災者の方々の地域文化への誇りなのかもしれません。
雪が降り本格的な冬が来る前に、暖かな住まいや十分な生活支援が行き届くことを心から念じております。そして、謙虚で逞しい心で、もう少し頑張ってください。
このLetterを読んでくださった方々へ:
私たちに出来ることは本当にささやかですが、少しでも被災者の方々の心の支えになればと願っています。郵便局に立ち寄ったら、ちょっと注意して窓口を見て下さい。中越地震救済基金の振込みシステムがあり、振込み用紙が用意されています。或いは、「ドラえもん基金」といってTV局指定の電話番号をダイヤルするだけで100円寄付する方法もあります。どうぞ、あなたもお力を貸してください。よろしくお願い致します。